人前で性器を露出するなどの行為をすると「公然わいせつ罪」で逮捕される可能性があります。放っておくと起訴されて前科がつくなど不利益が大きくなる可能性があるので、刑事事件になったらすぐに適切な対応を進めなければなりません。
今回は公然わいせつ罪とはどういった罪なのか、逮捕されたときの対処方法をお伝えします。
このページの目次
1.公然わいせつ罪とは
公然わいせつ罪とは、不特定や多数の人が認識できる状態において「わいせつな行為」をする犯罪をいいます。不特定または多数の人が「認識できる可能性」があると成立するため、現実に不特定や多数の人に認識される必要はありません。
「わいせつ」な行為とは
公然わいせつ罪にいう「わいせつな行為」とは、性器の露出や実際に性交するなど、人の性欲を刺激興奮させる動作で善良な性的道義観念に反する行為とされています。
公然わいせつ罪の刑罰は6か月以下の懲役、30万円以下の罰金あるいは拘留または科料です。
- 刑法第174条(公然わいせつ)
公然とわいせつな行為をした者は,六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
なお公共の場所でお尻や太ももなどの身体の一部を露出すると、たとえ公然わいせつ罪が成立しなくても軽犯罪法違反になる可能性があります。
- 軽犯罪法第1条20号(身体露出の罪)
第1条 左の各号の一に該当する者は,これを拘留又は科料に処する。
二十 公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者
2.公然わいせつ罪の具体例
公然わいせつ罪でよくあるのは、以下のような事例です。
- 学校の前で待ち構えて女生徒に性器を見せつける
- 路上やコンビニなどの店舗の中で通行人やお客に性器を見せつける
- 劇場で客にわいせつ行為を鑑賞させる
3.公然わいせつで適用される罪
公然わいせつ罪は他の性犯罪(強制わいせつ罪や強制性交等罪など)と比べると、刑罰は軽いものとなっています。ただ余罪があるケースも多く、初犯でも起訴されるケースが少なくありません。有罪判決が出ると一生消えない前科がついてしまいます。
また被疑者が有名人、社会的地位が高い、公的職業についている、事件内容がセンセーショナルな場合などには全国に実名報道されるリスクもあります。刑罰が軽くても信用を失い、その後の人生に大きな影を投げかける可能性もあり、軽く考えてはなりません。
4.公然わいせつ罪の刑事弁護
専門の医療機関に通院して再犯を防止すること、目撃者との示談交渉を進めることなどが有効です。まずは早めに刑事弁護に力を入れている弁護士へ相談しましょう。