刑罰にはいくつかの種類があり、軽重も異なります。悪質であれば重い刑が適用されますし、さほど悪質でなければ軽い刑罰を適用されるのが原則です。
また刑罰が適用されると「前科」がつきます。
この記事では刑罰にはどういった種類があるのか、「前科」とは何なのか、弁護士がご説明します。
このページの目次
1.刑罰の種類
刑罰とは、犯罪行為をして有罪判決を受けたときに適用される罰です。
基本的には以下の6種類があります。
科料
9999円以下の金銭を払わねばならない刑罰です。刑罰の中でもっとも軽いものとなります。
侮辱罪や軽犯罪法違反などで科料が適用されるケースがあります。
拘留
29日以内の期間、身体拘束される刑罰です。単に拘置所や刑務所で身柄を拘束されるだけで、強制労働はさせられません。
侮辱罪や軽犯罪法違反などで拘留が適用される可能性があります。
罰金
1万円以上の金額の金銭を払わねばならない刑罰です。
名誉毀損罪や窃盗、懲役、労働法違反などいろいろな犯罪に罰金刑があります。
禁錮
30日以上の間、身体拘束される刑罰です。強制労働はさせられません。
名誉毀損罪や交通事故などで禁錮刑が適用される可能性があります。
懲役
30日以上の間、身体拘束されて強制労働させられる刑罰です。交通事故や窃盗、詐欺などで懲役刑が適用される可能性があります。
死刑
命をもって償わされる刑罰です。もっとも重い刑罰に分類されます。
殺人罪や強盗殺人罪、現住建造物等放火罪などで死刑が適用される可能性があります。
以上は「主刑」といって、単体で科される可能性のある刑罰です。
付加刑としての没収
「付加刑」といって、主刑に足して科される刑罰もあります。
付加刑としては、「没収」が挙げられます。没収は、犯罪に使われたり犯罪によって得られたりしたものを奪う刑罰です。
前科とは
前科とは、有罪判決を適用されて刑罰を受けたときに残る記録です。
いったん前科がつくと前科がついて、一生消えることがありません。
ただし前科は一般に公開されるものではありません。検察庁のデータベースに保管されているだけで、一般には非公開です。ただし次に何かの犯罪の被疑者や被告人となった際には捜査機関によって前科を紹介されるので、担当警察官や検察官には内容を知られることになります。
またネットなどで前科が公表されてしまうと、世間一般に知られるリスクも発生します。
前科をつけないためには、不起訴処分を獲得するなどして「刑事裁判にしない」のがもっとも確実です。無罪になった場合にも前科はつきません。
被疑者の立場となって不利益を小さくしたい方は、お早めに弁護士までご相談ください。